春日部桐箪笥ができるまで

江戸時代より受け継がれた伝統技法で、桐の美しさを存分に引き出す。
春日部桐たんすの製造工程をご紹介します。

1.桐材の渋抜き


桐丸太を用途に合わせ製板し、その後桐の渋を抜く為に、桐板を合わせかえしながら長い間天日と風雨にさらします。昔から自然の力を応用する事でより良い材質に変えていきます。春日部の桐箪笥造りの原点です。

2.木取り


乾燥が終わったら木取りと呼ばれる選別作業に入ります。
美観を考え表側には綺麗な木目、耐久性が必要な場合はしっかりとした素材を選ぶなど、どの場所にどの材料を使用するか1枚1枚見極めながら選別していきます。箪笥の印象やかたちを決める作業で、主に工房の親方がおこないます。

3.組み立て


箪笥のガラ(外まわり)部分を組み立てます。木釘を用いて保立、地板、天板を組み合わせ、その後背板を付けていきます。抽斗(引き出し)は側板、先側、前板にほぞを抜き、組み立てます。そして、ガラと抽斗を鉋(かんな)で削り寸法を微調整し、すき間無く仕上げます。木釘は大・中・小の三種を桐材の厚さによって使い分けます、木釘は抜けにくく錆びず、見た目も美しいので桐箪笥づくりに適しています。

4.塗装


木地を調整してからカルカヤの根を束ねたウズクリで、たんすの表面をこすることで木目を浮き上がらせます。その上に砥の粉とヤシャブシとの混合液で何回か刷毛塗りをします。自然乾燥した後、木目に沿ってロウを均一にかけて艶を出して仕上げます。

5.金具取り付け


桐箪笥は金具の形や模様で表情が大きく変わります。熟練の職人の手で慎重に前飾、引手金具などが取付けられます。
最後に全体を検品し、春日部桐箪笥は完成します。

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